2017-06-23 2026-07-27
小児歯科
顎間空隙(がっかんくうげき)とは?赤ちゃんの歯が生える順番と「歯ぐずり」対策
赤ちゃんの歯が生える前に、上下の歯ぐきの間にすき間が見えることがあります。これは「顎間空隙(がくかんくうげき)」と呼ばれる、乳歯がまだ生えていない時期に見られるお口の特徴です。
また、生後6か月前後になると、よだれが増える、おもちゃを噛みたがる、歯ぐきが赤くなるなどの変化が見られることがあります。乳歯が生える前後の不快感による「歯ぐずり」の可能性がありますが、発熱や下痢など、歯ぐずりだけでは説明しにくい症状には注意が必要です。
この記事では、顎間空隙の意味、乳歯が生える順番と時期、歯ぐずりへの対処法、歯磨きの始め方を、尼崎市のクスノセ歯科医院が解説します。歯の生え方には個人差があるため、月齢だけで判断せず、お子様のお口の状態を見ながら対応しましょう。
歯の生え方・歯ぐずり・歯磨き
気になることを早めに確認しませんか?
乳歯が生える時期や順番、仕上げ磨き、フッ化物配合歯磨剤の使い方など、 赤ちゃんのお口に関するご相談を受け付けています。 尼崎市東難波町のクスノセ歯科医院へお気軽にご相談ください。
目次
- 顎間空隙とは?赤ちゃんの歯ぐきにすき間がある理由
- 乳歯が生える順番と時期の目安
- 歯ぐずりで見られやすいサイン
- 歯ぐずりの不快感を和らげる方法
- 最初の歯が生えた後の歯磨きとフッ化物配合歯磨剤
- 歯科医院や小児科へ相談した方がよい症状
- 赤ちゃんの歯に関するよくある質問
顎間空隙とは?赤ちゃんの歯ぐきにすき間がある理由
顎間空隙とは、乳歯がまだ生えていない赤ちゃんの前歯部分で、上下の歯槽堤(将来、歯が生えてくる歯ぐきの土手)が接触せずにできているすき間です。口を閉じたときにも、前方にすき間が見えることがあります。
これは、歯がない時期のお口に見られる生理的な形態です。顎間空隙には舌が入り、哺乳時に乳首をくわえやすい形になっています。乳切歯が生える時期が近づき、歯ぐきが膨らんでくると、顎間空隙は徐々に目立たなくなります。
顎間空隙があること自体から、将来の出っ歯、受け口、歯並びの良し悪しを判断することはできません。赤ちゃんが問題なく哺乳でき、体重が増えている場合は、すき間だけを理由に心配しすぎる必要はありません。
顎間空隙と乳歯の「すきっ歯」は別のもの
顎間空隙は、歯が生える前の上下の歯ぐきの間に見られるすき間です。一方、乳歯が生えそろってから歯と歯の間に見られるすき間は、発育空隙や霊長空隙などと呼ばれます。
乳歯より永久歯の方が大きいため、乳歯列にある程度のすき間が見られることは珍しくありません。ただし、すき間の有無だけで将来の歯並びを断定することはできないため、噛み合わせが気になる場合は歯科医院で確認してもらいましょう。
赤ちゃんの上あごに見られるくぼみについては、赤ちゃんの上顎の「吸啜窩」と発達について解説した記事もご覧ください。
乳歯が生える順番と時期の目安
乳歯は全部で20本あり、多くの場合は生後6〜9か月頃に下の中央の前歯から生え始めます。その後、前歯、最初の奥歯、犬歯、一番奥の歯という順番で生え、2歳半〜3歳頃までに20本がそろっていきます。
| 時期の目安 | 生えやすい乳歯 | お口の変化 |
|---|---|---|
| 生後6〜9か月頃 | 下の中央の前歯 | 最初の乳歯が見え始めることが多い時期です。 |
| 生後9〜12か月頃 | 上の中央の前歯・前歯の隣 | 上下の前歯で食べ物をかじる動きが増えてきます。 |
| 1歳〜1歳6か月頃 | 前歯の隣・第一乳臼歯 | 奥歯が生え始めますが、噛む機能はまだ発達途中です。 |
| 1歳6か月〜2歳頃 | 乳犬歯 | 前歯と奥歯の間の歯が生えてきます。 |
| 2歳〜3歳頃 | 第二乳臼歯 | 一番奥の乳歯が生え、20本がそろっていきます。 |
上記は一般的な目安です。生える時期や順番には個人差があり、上の前歯から生える、左右で生える時期がずれる、一時的に歯が斜めに見えるといったこともあります。
1歳を過ぎても歯が生えない場合
1歳を過ぎてから最初の歯が生えるお子様もいます。日本小児歯科学会では、1歳3か月頃になっても歯が生えてこない場合は、小児歯科やかかりつけの歯科医院へ相談するよう案内しています。
歯ぐきの中に歯があるか、歯が生える方向に問題がないかなどは、必要に応じて診察や画像検査で確認します。すぐに治療が必要とは限りませんが、心配を抱えたまま待つより、一度状態を確認しておくと安心です。
生まれたときから歯がある場合
生まれたときから生えている歯は先天歯、生後1か月以内に生えてくる歯は新生歯と呼ばれます。ぐらつきが強い場合や、赤ちゃんの舌、授乳する方の乳首を傷つけている場合は、歯科医院へ相談してください。
歯の状態によって、経過観察、尖った部分の調整、抜歯などの対応を検討します。すべての先天歯を抜くわけではありません。
歯ぐずりで見られやすいサイン
歯が生える前後には、歯ぐきの違和感や痛みから、次のような変化が見られることがあります。
- よだれが普段より増える
- おもちゃや手を噛みたがる
- 歯が生えてくる部分の歯ぐきが赤い、または腫れている
- 普段より不機嫌になる
- 眠りが浅くなる
- 食事や授乳を一時的に嫌がる
ただし、これらは歯ぐずりにだけ見られる症状ではありません。よだれが増えることや物を口へ運ぶことは、月齢に伴う発達の一部としても見られます。症状だけで歯ぐずりと決めつけず、全身状態も確認してください。
高熱や下痢は歯ぐずりと決めつけない
歯が生える時期に体温がわずかに高くなることはありますが、38度以上の発熱、下痢、嘔吐、強い咳、鼻水などを歯ぐずりだけで説明することはできません。
発熱がある、元気がない、水分が取れない、呼吸が苦しそうといった場合は、年齢や症状に応じて小児科などの医療機関へ相談してください。特に月齢の低い赤ちゃんの発熱は、早めの確認が必要です。
歯ぐずりの不快感を和らげる方法
清潔な歯固めを使用する
赤ちゃん用の歯固めを噛むことで、歯ぐきの違和感が和らぐことがあります。使用前に対象月齢や破損の有無を確認し、こまめに洗って清潔に保ちましょう。
冷たさを好む場合は、製品の説明に従って冷蔵庫で冷やします。凍らせた歯固めや硬すぎるものは、歯ぐきを傷つける可能性があるため避けてください。
清潔な指で歯ぐきを優しく触る
手をよく洗い、指の腹で歯ぐきを優しく触れると落ち着くことがあります。強く押す、爪を立てる、腫れている部分を繰り返しこするといった行為は避けましょう。
よだれはこすらずに拭く
よだれが口の周りに残ると、皮膚が赤くなることがあります。柔らかい布で押さえるように拭き、必要に応じて乳幼児に使用できる保湿剤などで皮膚を保護します。赤みやただれが強い場合は、小児科や皮膚科へ相談してください。
食べ物を使った対処は誤嚥に注意する
冷たい食べ物などを与える場合は、離乳食の進み方やアレルギーの有無を確認し、年齢に合った大きさ・硬さにしてください。硬い食品、凍らせた食品、小さく外れやすい食品は、窒息や誤嚥の原因になることがあります。食べている間は目を離さないようにしましょう。
市販の塗り薬や鎮痛薬を自己判断で使用せず、症状が強い場合は小児科医、歯科医師、薬剤師へ相談してください。
歯の生え方や歯ぐずりの不安を
ひとりで抱え込まずご相談ください
「1歳を過ぎても歯が生えない」「生える順番や歯の色が気になる」 「歯磨きやフッ素の使い方が分からない」など、赤ちゃんのお口に関するご相談を受け付けています。 尼崎市東難波町のクスノセ歯科医院では、お子様の年齢やお口の状態を確認し、ご家庭でのケア方法をご案内します。
お電話でのご予約:06-6481-2181
※38度以上の発熱、嘔吐、呼吸の異常などがある場合は、歯ぐずりと判断せず小児科へご相談ください。
最初の歯が生えた後の歯磨きとフッ化物配合歯磨剤
乳歯が生え始めたら、歯磨きの習慣づけを始めます。最初から長時間きれいに磨くことよりも、お口を触られることや歯ブラシに少しずつ慣れることが大切です。
歯ブラシに慣れるまでの進め方
- お口の中を観察する:機嫌のよい時間に仰向けにし、唇を優しくめくって歯ぐきや歯を確認します。
- ガーゼなどで触れる:生え始めは、清潔なガーゼやコットンで歯を軽く拭く方法もあります。
- 乳児用歯ブラシへ移行する:小さなヘッドの歯ブラシを使い、短時間から始めます。
- 就寝前の歯磨きを習慣にする:慣れてきたら1日2回を目安とし、特に就寝前は保護者が仕上げ磨きを行います。
上の前歯を磨くときは、上唇の裏にある上唇小帯へ歯ブラシが当たると痛がることがあります。保護者の指で上唇を優しく持ち上げ、小帯を避けて一本ずつ磨きましょう。
詳しい磨き方は、赤ちゃんの歯磨きを始める時期と、嫌がるときの対応でも解説しています。
フッ化物配合歯磨剤は「歯が生えてから」使用する
4学会合同の提言では、歯が生えてから2歳までのお子様には、900〜1000ppmFのフッ化物配合歯磨剤を米粒程度(1〜2mm程度)使用し、就寝前を含めて1日2回歯を磨くことが推奨されています。
- 使用量は米粒程度にする
- 保護者が歯磨剤をつける
- 歯磨き後は、必要に応じてティッシュなどで軽く拭き取る
- 歯磨剤は子どもの手が届かない場所に保管する
年齢やむし歯のリスクによって適した製品や使用方法が異なることがあるため、迷う場合は歯科医師や歯科衛生士へ相談してください。
フッ化物の働きや歯科医院での塗布については、子どものむし歯予防とフッ化物について解説した記事もご確認ください。
夜間授乳とむし歯の関係
母乳やミルクを飲んでいることだけで、必ずむし歯になるわけではありません。ただし、1歳を過ぎて砂糖を含む飲食物を取る機会が増え、歯磨きをせずに授乳したまま眠る習慣が続くと、むし歯のリスクが高くなることがあります。
甘い飲み物を哺乳瓶やマグで長時間飲ませることは避け、就寝前の仕上げ磨きを続けましょう。授乳の続け方は、お子様と保護者の状況を踏まえ、小児科や歯科医院などへ相談しながら考えることが大切です。
歯科医院や小児科へ相談した方がよい症状
次のような場合は、歯ぐずりだけと判断せず、歯科医院または小児科へ相談してください。
- 1歳3か月頃になっても乳歯が1本も生えてこない
- 生まれたときからある歯が強くぐらついている
- 歯ぐきが大きく腫れている、膿や出血がある
- 歯や歯ぐきの色、形に気になる変化がある
- 痛がって水分や食事を取れない状態が続く
- 38度以上の発熱、下痢、嘔吐、強い咳などがある
- 元気がない、呼吸が苦しそう、尿が少ないなど全身状態が悪い
歯の生え方、仕上げ磨き、フッ化物の使い方などに迷った場合は、症状がなくても相談できます。定期受診の間隔は一律ではなく、お子様の年齢、お口の状態、むし歯リスクに応じて歯科医師と決めましょう。
クスノセ歯科医院の小児歯科では、お子様の年齢やお口の状態に合わせ、歯磨きや食生活、むし歯予防についてご案内しています。詳しくは、クスノセ歯科医院の小児歯科をご確認ください。
赤ちゃんの歯に関するよくある質問
上の前歯から先に生えても問題ありませんか?
多くは下の中央の前歯から生えますが、上の前歯から生えるお子様もいます。生える順番には個人差があるため、順番が一般的な目安と違うだけで異常とは限りません。
乳歯の間にすき間があります。矯正が必要ですか?
乳歯列にすき間があることは珍しくありません。ただし、すき間があるから必ず永久歯がきれいに並ぶ、すき間がないから必ず歯並びが悪くなるとは断定できません。噛み合わせや顎の動きも含めて経過を確認します。
歯ぐずりで38度以上の熱が出ることはありますか?
歯が生える時期にわずかな体温上昇が見られることはありますが、38度以上の発熱を歯ぐずりだけの症状と考えるべきではありません。感染症など別の原因を考え、小児科へ相談してください。
最初の歯が少し黄色く見えます。むし歯でしょうか?
光の当たり方や歯の構造によって、歯がやや黄色く見えることがあります。ただし、白い斑点、茶色い変色、表面のへこみやざらつきがある場合は、初期むし歯や歯の形成状態を確認した方がよいことがあります。歯科医院で診てもらいましょう。
1歳ですが、まだ歯が生えていません
1歳を過ぎてから最初の歯が生えることもあります。歯ぐきが膨らんでいるなど、生える兆候が見られる場合は経過を見られることもありますが、1歳3か月頃になっても生えてこない場合や、保護者の方が不安な場合は歯科医院へ相談してください。
まとめ:月齢だけで判断せず、お口と全身の状態を確認しましょう
顎間空隙は、乳歯が生える前の赤ちゃんに見られる生理的なお口の特徴です。乳歯の生える時期や順番には個人差があり、一般的な目安と少し違うだけで異常とは限りません。
歯ぐずりでは、よだれが増える、物を噛みたがる、歯ぐきが赤くなる、不機嫌になるといった変化が見られることがあります。一方で、38度以上の発熱、下痢、嘔吐、強い咳、元気がないといった症状は、歯ぐずりと決めつけず小児科へ相談してください。
最初の歯が生えたら、短時間の歯磨きから始め、年齢に合った量のフッ化物配合歯磨剤を使用します。歯の生え方やケア方法に不安がある場合は、クスノセ歯科医院へご相談ください。
最初の歯が生えたら
お口のチェックを始めませんか?
赤ちゃんの歯科受診は、むし歯ができてからでなくても構いません。 歯の生え方、仕上げ磨き、フッ化物配合歯磨剤、食生活など、 保護者の方が気になっていることを確認し、お子様に合ったケア方法をご案内します。 尼崎で赤ちゃんと通える歯科医院をお探しの方は、クスノセ歯科医院へご相談ください。
お電話でのご予約:06-6481-2181