2022-12-21 2026-05-28
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【尼崎で小児歯科】赤ちゃんの上顎のへこみ「吸啜窩(きゅうてつか)」と高口蓋の真実
「授乳をしているとき、ふと赤ちゃんのお口の中を見たら、上あご(お口の天井部分)にポッカリと深いへこみがあるのを見つけて驚いた」「仕上げ磨きのとき、上あごにスプーンの裏側のような不自然なくぼみがあることに気づいた」――。尼崎市内で初めての子育てに奮闘されているお母様・お父様から、当院の小児歯科健診でも非常に多く寄せられるご相談の一つです。
インターネットで「赤ちゃん 上顎 へこみ」と検索すると、「高口蓋(こうこうがい)」という聞き慣れない専門用語や、「将来、歯並びがガタガタになる」「出っ歯になる」「鼻呼吸ができなくなる」といった恐ろしい情報が次々と表示され、パニックに陥ってしまう親御さんも少なくありません。「うちの子は病気なの?」「このまま放っておいたら大変なことになるの?」と、夜も眠れないほど不安な気持ちを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、生後間もない赤ちゃんの上あごにある深いへこみは、「吸啜窩(きゅうてつか)」と呼ばれるものであり、母乳やミルクを上手に飲むために備わった、人間としてごく自然で正常な構造(命のポケット)です。ですから、まずはどうかご安心ください。しかし同時に、このへこみが「いつまでも(目安として1歳半〜2歳を過ぎても)深く残ったままである場合」は、決してそのまま見過ごしてはいけない、お口の機能発達の遅れ(高口蓋への移行)の深刻なサインとなります。
この記事では、尼崎市近郊で赤ちゃんのお口の発達に不安を感じているご家族に向けて、吸啜窩の本来の役割から、1歳を過ぎても消えない場合の隠れた原因(舌の癖や指しゃぶり等)、そして放置することで将来招かれる「歯並びや呼吸への連鎖的な悲劇」まで、小児歯科の専門的な視点から詳しく解説します。さらに、親御さんが今日からご家庭ですぐに実践できる「正しいお口の機能を育てる離乳食と遊びの極意」についてもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みいただき、大切なお子様の健康な未来を守るための参考にしてください。
赤ちゃんの上あごにある「へこみ」の正体は?
赤ちゃんが大きくお口を開けて泣いているときや、あくびをしたとき、上あごの天井部分(口蓋:こうがい)を覗き込むと、奥のほうに向かってまるで親指をギュッと押し付けたような、丸くて深い「へこみ」があるのを確認できます。初めて目にした親御さんは「もしかして奇形?」「上あごの骨に穴が空いているの?」と強いショックを受けられるかもしれません。
しかし、ご安心ください。このへこみの正体は、医学用語で「吸啜窩(きゅうてつか)」と呼ばれるものであり、病気でも異常でもありません。生まれたばかりの赤ちゃんが、生きるために必要不可欠な「ある一つの重要な任務」を完璧に遂行するために、生まれつき備わっている素晴らしい人体の神秘なのです。
哺乳を成功させるための「命のポケット」
生まれたばかりの赤ちゃんには、まだ歯が1本も生えていません。それなのに、どうやってお母さんのおっぱい(乳首)から、力強く母乳を飲み取ることができるのでしょうか。
その秘密兵器こそが、上あごにある「吸啜窩」です。赤ちゃんは、お母さんの乳首(あるいは哺乳瓶の人工乳首)をお口に含むと、この吸啜窩という「深いへこみ(ポケット)」のピタリとはまるように乳首をロックし、固定します。そして、柔軟で力強い「舌」を使って、下から上あご(吸啜窩)に向かって乳首をギュッギュッと波打つように押し付ける(しごく)ことで、母乳を搾り出しているのです。この高度な哺乳運動を「吸啜(きゅうてつ)」と呼びます。
もし、生まれたばかりの赤ちゃんの上あごにこのへこみ(吸啜窩)が無く、ツルツルで真っ平らだったとしたらどうなるでしょうか。乳首をお口の中で安定して固定することができず、舌で押し付けようとしてもツルッと滑ってしまい、母乳を上手に飲むことができません。つまり、吸啜窩は赤ちゃんが効率よく栄養を摂取し、命を繋いでいくために絶対に欠かせない、必要不可欠な「命のポケット」なのです。
お口が「吸う」から「噛む」へ進化するプロセス
生後間もない赤ちゃんにとって命綱である吸啜窩ですが、実は成長とともに少しずつその形を変え、最終的には目立たなく(平らに)なっていかなければなりません。人間の赤ちゃんは、一生おっぱいだけを飲んで生きていくわけではないからです。
生後5ヶ月〜6ヶ月頃になると、いよいよ「離乳食」が始まります。これは、赤ちゃんのお口の使い方が「おっぱいを吸う(吸啜)」という原始的な動きから、「食べ物を噛み潰して飲み込む(咀嚼・嚥下)」という、より高度で人間らしい動きへと劇的な進化を遂げるための、壮大なトレーニングの始まりを意味しています。
離乳食は単なる栄養補給ではなく「お口の筋トレ」
離乳食が進むにつれて、赤ちゃんは少しずつ形のあるドロドロしたものから、形のある固形の食べ物を食べるようになります。食べ物をお口に取り込むと、赤ちゃんは無意識のうちに「舌」を活発に動かし始めます。食べ物を舌の上に乗せて、上あごの天井部分に押し付けてすり潰したり、左右の歯ぐき(のちに歯が生える部分)へと食べ物を移動させたりと、お口の中では目まぐるしい「舌の筋トレ」が行われているのです。
舌の力が上あごを押し広げ、自然と平らになっていく
この「舌で食べ物を上あごに押し付けて潰す」「ゴックンと飲み込む(嚥下する)」という正しい動作が繰り返されるたびに、赤ちゃんの力強い舌の筋肉が、上あごの天井を下から上へ、そして内側から外側へと、まるでマッサージをするように内側から押し広げる圧力をかけ続けます。
上あごの骨は、この時期まだ非常に柔らかく、成長の余地を大きく残しています。下から舌の力で繰り返し押し上げられることによって、深くへこんでいた「吸啜窩」は少しずつ横に押し広げられ、なだらかで平らなアーチ状の上あご(理想的な口蓋)へと、見事な変貌を遂げていくのです。
【目安】1歳〜1歳半頃には目立たなくなるのが理想的
では、この吸啜窩はいつ頃までに消える(平らになる)のが正常なのでしょうか。成長にはもちろん個人差がありますが、一般的に離乳食が順調に進み、前歯が生え揃い始める「1歳〜1歳半頃」には、上あごの深いへこみはほとんど目立たなくなり、なだらかなドーム状に移行しているのが理想的(正常な発達の証)とされています。
この時期までに上あごがしっかりと横に広がり、平らになっておくことで、これから生えてくる「20本の乳歯」、そして将来生えてくる「28本の永久歯」が、重なることなく綺麗に並ぶための「広大なスペース(土台)」が確保されることになるのです。
要注意!吸啜窩が1歳半を過ぎても「消えない」理由
ここまでお読みいただき、「赤ちゃんの時にへこみがあるのは正常で、離乳食が始まれば舌の力で自然に広がって消えていく」というメカニズムをご理解いただけたかと思います。
しかし、もしあなたのお子様が1歳半、あるいは2歳を過ぎてもなお、上あごに深いへこみ(吸啜窩)がハッキリと残ったままであるなら、それは「お口の機能(特に舌の力)が正常に発達していない」という非常に重要な警告サイン(レッドフラッグ)と捉える必要があります。
なぜ、自然に消えていくはずのへこみが、いつまでも残ってしまうのでしょうか。その裏には、現代の子どもたちが陥りやすい「3つの隠れた原因」が潜んでいます。
最大の原因は「舌の位置の異常(低位舌)」
へこみが消えない最大の原因は、お子様の舌が本来あるべき正しい位置にない、つまり「低位舌(ていいぜつ)」と呼ばれる状態に陥っていることです。
人間が口を閉じてリラックスしているとき、本来、舌の先端は上あごの天井(前歯の少し後ろの出っ張り)にピタリとくっつき、舌の広い面が上あご全体をしっかりと押し上げている状態が「正常(正しいポジション)」です。この「舌が上あごを押し上げる力」こそが、上あごの骨を横に広げ、へこみを平らにする原動力となります。
しかし、低位舌のお子様は、舌の筋力が弱いため、舌が上あごの天井まで届かず、いつも下あごのほう(下の歯の裏側)にダランと落ちてしまっています。舌が下へ落ちていると、上あごを内側から広げる圧力が全くかかりません。さらに悪いことに、舌という「つっかえ棒」がなくなったことで、口周りや頬の筋肉に外側からギュッと押しつぶされるような力がかかり、上あごは広がるどころか、ますます狭く、深く、山の頂上のように高く尖っていくことになります。この深く狭まった上あごの状態を「高口蓋(こうこうがい)」と呼びます。
長期化する「指しゃぶり」や「おしゃぶり」の影響
赤ちゃんを泣き止ませたり、安心させたりするのに便利なおしゃぶりや、眠たいときの指しゃぶり。これらは乳児期であればある程度は自然な行為ですが、1歳を過ぎても、2歳、3歳と長期にわたって頻繁に続けていると、上あごの形に決定的な悪影響を及ぼします。
親指やおしゃぶりという硬い異物を、強い力で長時間お口の中(上あごの方向)に吸い込み続けることで、物理的に上あごの天井が上へ上へと押し上げられ、無理やりへこみ(高口蓋)が作られてしまいます。さらに、指やおしゃぶりが邪魔をして、舌が本来あるべき上あごの天井にくっつくことができなくなり、前述の「低位舌」を強制的に引き起こす原因にもなってしまうのです。
舌の動きを制限する「舌小帯強直症(ぜつしょうたいきょうちょくしょう)」の可能性
もう一つ、へこみが消えない(舌が上あごに届かない)理由として見落とされがちなのが、「舌小帯強直症(ぜつしょうたいきょうちょくしょう)」という生まれつきの構造的な問題です。
舌の裏側には、下あごと舌を繋いでいる「舌小帯(ぜつしょうたい)」というヒモのような筋(スジ)があります。このヒモが生まれつき極端に短かったり、舌の先端の方まで強くくっつきすぎたりしていると、舌を上へ持ち上げようとしてもヒモに引っ張られてしまい、物理的に上あごの天井まで舌を届かせることができません。
舌を出そうとすると舌の先端がハート型(W型)にくびれる、授乳の時に乳首をうまく吸えずに何度もむせていた、といった症状がある場合は、舌小帯強直症の疑いがあります。この状態を放置していると、本人がいくら頑張っても舌を正しい位置(上あご)に置くことができないため、必然的に低位舌となり、高口蓋へと移行してしまいます。この場合、ご家庭でのトレーニングだけでは改善が難しく、小児歯科や口腔外科での専門的な診断(場合によってはレーザー等によるヒモの切除術)が必要となるケースがあります。
【当院の実例】お口のトレーニングで吸啜窩が平らになり、顔つきが変わったAくん
ここで、当院で実際に「お口の機能発達支援」を受け、見違えるような変化を遂げたAくん(当時2歳)の事例をご紹介します。
Aくんのお母様は、「2歳を過ぎても上あごのへこみが深く、いつも口がポカンと開いていて、風邪ばかりひいている」と深く悩んで当院を受診されました。診察の結果、Aくんは典型的な「低位舌」であり、舌が上あごを支えていないため、上あごが狭く尖り始めている(高口蓋の初期症状)状態でした。
そこで当院では、無理な装置は使わず、ご家庭で毎日楽しくできる「お口の体操(MFT:口腔筋機能療法)」をご指導しました。具体的には、「あいうべ体操」や、舌を上あごに吸い付けてポンッと鳴らす「ポッピング遊び」、そして食事の際の「手づかみ食べの徹底」です。
お母様の熱心なサポートもあり、Aくんはお口の遊びを毎日楽しんで続けてくれました。半年が経過した頃には、ダランと下がっていた舌がしっかりと上あごに吸い付くようになり、いつも開いていたお口がピタリと閉じて、綺麗な鼻呼吸ができるようになりました。そして何より驚いたのは、深くへこんでいた上あご(吸啜窩のなごり)が、舌の力で横に広げられ、なだらかで美しいドーム状へと見事に変化していたことです。
お口が閉じるようになったことで、Aくんの顔つきは引き締まり、風邪をひく頻度も劇的に減りました。これは、子どもの「成長する力」と「正しいトレーニング」がいかに素晴らしい結果をもたらすかを証明する、私たちにとっても非常に嬉しい実例です。
そのまま放置すると「高口蓋」へ!招かれる3つの連鎖的な悲劇
1歳半を過ぎても消えない吸啜窩を「そのうち治るだろう」と軽く考え、適切なアプローチを行わずに放置し続けると、上あごは本格的な「高口蓋(深く狭い天井)」として固まってしまいます。
高口蓋は、単に「お口の天井がへこんでいる」という見た目の問題だけにとどまりません。上あごの形が歪むことで、お子様の将来の顔つき、歯並び、そして全身の健康にまで、連鎖的な「3つの悲劇」を招くことが、歯科医学的に明らかになっています。
悲劇① 永久歯が生えるスペースがなくなり「ガタガタの歯並び」になる
高口蓋の最大のリスクは、将来の「歯並びの悪化(不正咬合)」に直結することです。
健康で平らな上あごは、例えるなら「28台の車(永久歯)が余裕を持って停められる、広々とした大きな駐車場」です。しかし、舌の力で横に広げてもらえず、狭く高く尖ってしまった高口蓋のあごは、「スペースが全く足りない狭い駐車場」になってしまいます。
狭い駐車場に、大きな大人の歯(永久歯)が無理やり生えてこようとすれば、どうなるでしょうか。歯はスペースを求めて、前に飛び出したり(出っ歯)、捻れたり、重なり合って生えるしかありません。その結果、極端にガタガタな歯並び(叢生:そうせい)となってしまうのです。将来、このガタガタな歯並びを綺麗に治すためには、何十万円、何百万円という莫大な費用をかけて矯正治療(場合によっては健康な永久歯を何本も抜歯する痛みを伴う治療)を受けなければならなくなります。
悲劇② 鼻呼吸ができなくなり、風邪やアレルギーを引き起こしやすくなる
人間の顔の骨格において、実は「お口の天井(口蓋)」は、「鼻の床(鼻腔の底)」と表裏一体の、たった一枚の同じ骨でできています。1階の天井が、そのまま2階の床になっているマンションを想像してみてください。
上あごが横に広がらずに、上へ上へと高く押し上げられた高口蓋の状態になると、すぐ真上にある「鼻の通り道(鼻腔)」が、下から強烈に圧迫されて極端に狭くなってしまいます。
鼻の通り道が狭くなると、お子様は息苦しさを感じ、無意識のうちに「口」を使って息をするようになります。これが、万病の元と言われる「口呼吸(お口ぽかん)」の始まりです。
本来、鼻には空気中のウイルスや細菌、花粉などのアレルギー物質をシャットアウトする「優秀なフィルター機能(鼻毛や粘膜)」が備わっています。しかし、口で直接息をしてしまうと、フィルターを通さずに汚れた空気が直接喉の奥や肺へと流れ込んでしまいます。そのため、口呼吸をしている子どもは、「風邪をひきやすい」「扁桃腺が腫れやすい」「喘息やアレルギー症状が悪化しやすい」といった、全身の免疫力の低下に直結する深刻なリスクを背負うことになります。
悲劇③ アデノイド顔貌(お口ぽかん顔)や滑舌への深刻な影響
口呼吸が慢性化すると、いつも口がポカンと開いた状態が定着し、顔周りの筋肉が緩みきってしまいます。その結果、下あごが後ろに下がり、顔全体がのっぺりと長く間延びしたような特有の顔つきに変化してしまいます。これを歯科や耳鼻科の領域では「アデノイド顔貌」と呼びます。一度骨格がこの形に成長して固定されてしまうと、後から自力で治すことは非常に困難です。
さらに、高口蓋と低位舌のセットは、「言葉の発音(滑舌)」にも悪影響を及ぼします。
私たちが言葉を発するとき、舌は上あごの天井や前歯の裏側に絶妙なタイミングで触れることで、様々な音を作り出しています。しかし、上あごの天井が高すぎる(高口蓋)と、舌がそこに届きにくくなります。特に、「サ行」「タ行」「ラ行」といった舌を上あごにつけて発音する音が不明瞭になりやすく、「赤ちゃん言葉がいつまでも抜けない」「滑舌が悪くて聞き取りにくい」といったコミュニケーションのコンプレックスを抱える原因になるのです。
睡眠の質が脳を育てる!お口の形と「学習の集中力」の意外な相関
高口蓋によって引き起こされる口呼吸は、起きている時だけでなく、寝ている間の「睡眠の質」にも破壊的なダメージを与えます。
口呼吸で眠ると、舌が喉の奥へと落ち込みやすくなり、気道(空気の通り道)が極端に狭くなります。ひどい場合には、睡眠中に何度も呼吸が止まる「小児の睡眠時無呼吸症候群」を引き起こすこともあります。睡眠中に十分な酸素が脳に供給されないと、脳は常に酸欠状態でパニックを起こし、深い眠り(ノンレム睡眠)につくことができなくなります。
その結果、いくら長い時間ベッドに入っていても、朝起きられなかったり、日中に強い眠気や倦怠感に襲われたりします。学校の授業中もボーッとしてしまい、「集中力がない」「落ち着きがない(多動傾向)」といった、学習面や行動面での深刻な問題として表面化することが、近年の研究で明らかになっています。子どもの健全な脳の発育と、将来の学習成績(集中力)を支えているのは、実は「正しい鼻呼吸ができる、平らで広い上あご」なのです。
中耳炎を繰り返すのは「上あごの形」のせいかも?
また、口呼吸は「耳の病気」とも密接に関係しています。鼻の奥には、耳と鼻を繋ぐ「耳管(じかん)」という細い管があります。口呼吸によって汚れた空気や細菌が直接喉の奥に侵入し、そこで炎症(アデノイドや扁桃の腫れ)を起こすと、その炎症が耳管を通じて耳の奥(中耳)へと簡単に波及してしまいます。
特に子どもは、大人に比べて耳管が短く、水平に近いため、細菌が耳へ逆流しやすい構造になっています。「風邪をひくたびに中耳炎を繰り返して、何度も耳鼻科に通っている」というお子様の場合、その根本的な原因をたどっていくと、「高口蓋による口呼吸」に行き着くケースが非常に多いのです。耳鼻科でお薬をもらって一時的に治しても、根本のお口の形と呼吸法が治っていなければ、またすぐに再発してしまいます。
0歳から実践できる!綺麗な「上あご」を育てる離乳食と遊びの極意
ここまで怖いお話もしてしまいましたが、決して絶望する必要はありません。お子様の上あごの骨は、まだまだ柔らかく、これからいくらでも成長する大きな可能性を秘めています。手遅れになる前に、ご家庭での「食事の与え方」や「日々の遊び」を少し工夫するだけで、舌の筋力を鍛え、上あごを横に広く育てていく(へこみを無くしていく)ことは十分に可能です。
ここでは、尼崎の小児歯科がおすすめする、0歳からご自宅で今日からすぐに実践できる「お口の機能を正しく育てるための3つの極意」をご紹介します。
離乳食の与え方:スプーンで無理やり「流し込まない」こと
離乳食を与える際、お母さんがスプーンに乗せた食べ物を、赤ちゃんのお口の奥の方までグッと突っ込んで、上あごに擦り付けるようにして流し込んではいませんか?忙しい育児の中で、早く食べさせたい気持ちは痛いほど分かりますが、実はお口の発達にとって、これはNGアクションです。
スプーンを奥まで突っ込まれると、赤ちゃんは舌を全く動かさなくても、そのまま喉へ「丸飲み(流し込み)」することができてしまいます。これでは、舌の筋トレには一切なりません。
正しい与え方は、「スプーンは赤ちゃんの『下唇』に軽く乗せるだけ」にすることです。そして、赤ちゃん自身が、自分の上唇を「パクッ」と閉じて食べ物を取り込み、自分の舌の力で食べ物を奥へ運んでいくのを、じっと見守ってあげてください。「食べさせる」のではなく、「赤ちゃん自身が自分の力で食べる(お口の筋肉を使う)のをサポートする」という意識への転換が、美しい上あごを育てる第一歩です。
手づかみ食べ(かじり取り)で前歯と顎の力を育む
離乳食が後期に入り、手づかみ食べができるようになったら、少し大きめに切った野菜スティック(柔らかく茹でたにんじんや大根)や、おにぎりなどを積極的に手渡し、「前歯でかじり取らせる」ことを意識させてください。
前歯を使って「ガブッ」と噛みちぎる動作は、あごの骨を前へと力強く成長させるための非常に重要な刺激となります。最初から一口大のサイコロ状に小さく切って与えすぎると、前歯を使わずに丸飲みする癖がついてしまい、あごの成長が促されません。お顔やテーブルが多少汚れてしまうのは大変ですが、この時期の「手づかみ食べ・かじり取り」は、将来の綺麗な歯並びのための「無料の最高のトレーニング」だと考えて、存分にやらせてあげてください。
お口周りの筋肉を使う「遊び(ラッパやシャボン玉)」を取り入れる
お口の機能(口輪筋や舌の筋肉)を鍛えるのは、食事の時間だけではありません。日々の楽しい「遊び」の中に、お口の筋トレ要素を取り入れるのが非常に効果的です。
例えば、「吹くと音の鳴るおもちゃ(ラッパや笛など)」は、唇をしっかりとすぼめて強く息を吐き出す必要があるため、口周りの筋肉(口輪筋)を鍛え、お口ぽかんを防止するのに絶大な効果があります。
また、「シャボン玉遊び」や「風車(かざぐるま)」、お風呂でストローを使ってブクブクと泡立てる遊びなどもおすすめです。こうした「吹く遊び」を日常的に取り入れることで、お子様は遊びながら自然と強い唇と舌の力を手に入れ、それが正しい鼻呼吸と、平らで美しい上あごの形成へと繋がっていくのです。
尼崎で赤ちゃんの「お口の発達」に不安を感じたらクスノセ歯科へ
尼崎市内で「うちの子、1歳半を過ぎたのにまだ上あごに深いへこみ(吸啜窩)が残っている」「最近、いつもお口がポカンと開いている気がする」「離乳食を丸飲みしていて、うまく噛めていないみたい」と、赤ちゃんの健やかな成長に少しでも不安を感じられている親御さんは、ぜひ一人で悩まずに、お早めにクスノセ歯科へご相談ください。
多くの歯科医院は「虫歯ができてから、それを削って治す場所」ですが、当院はそれだけではありません。「赤ちゃんがお腹の中にいるマタニティ期から、お口の正しい機能発達(口腔機能育成)を見守り、将来の歯並びの悪化や口呼吸を【未然に防ぐ】ためのパートナー」でありたいと強く願っています。
当院の小児歯科健診では、単に虫歯の有無をチェックするだけでなく、「上あごの成長度合い(へこみの状態)」「舌の正しい位置と動かし方」「口呼吸になっていないか」「離乳食の進め方や姿勢」といった、お口の機能発達のプロフェッショナルとしての視点から、お子様一人ひとりの状態を総合的に精密にチェックいたします。
もし、吸啜窩が消えずに高口蓋への移行が疑われる場合でも、早い段階(乳幼児期)から当院にご相談いただければ、大掛かりな矯正装置を使う前に、専用のマウスピースや「MFT(口腔筋機能療法)」と呼ばれる楽しいお口のトレーニングプログラムを通じて、舌の筋肉を自然に鍛え、上あごの健やかな成長を軌道修正していくことが十分に可能です。舌小帯強直症が疑われる場合でも、適切な診断のもと、お子様の将来の負担を最小限に抑えるための最良の治療方針をご提案いたします。
子どものお口の成長には「タイムリミット」があります。あごの骨が柔らかく、筋肉の使い方が柔軟に学習できる「今この瞬間」だからこそ、できるアプローチがたくさんあります。「あの時、もっと早く歯医者さんに相談しておけばよかった…」と将来後悔しないために、まずは気軽な「お口の発達健診・ご相談」という形で、当院の扉を叩いてみてください。
尼崎のクスノセ歯科は、お子様の「一生涯の健康と美しい笑顔」を守り抜くために、ご家族の皆様と一緒に伴走し、全力でサポートいたします。
【将来の投資】「0歳からの予防」vs「12歳からの矯正」のコスト比較
最後に、親御さんに知っておいていただきたい「お金」と「時間」のリアルな現実についてお話しします。
もし、赤ちゃんの頃の吸啜窩や高口蓋のサインを見逃し、お口ぽかんや悪い歯並びを放置したまま中学生(12歳以降)になってしまった場合、そこから歯並びを綺麗に治す(第2期治療・本格矯正)ためには、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などで一般的に「約80万円〜100万円以上」の高額な自費診療費が必要になります。さらに、健康な永久歯を4本抜歯するリスクや、数年間にわたる痛みを伴う通院という、お子様自身の精神的・肉体的な負担も非常に大きくなります。
一方で、0歳〜幼児期のうちから、当院のような小児の口腔機能育成に詳しい歯科医院で定期的に健診を受け、MFT(お口の体操)や正しい離乳食の指導を受けるという「早期の予防的アプローチ」を選択した場合はどうでしょうか。
定期健診やトレーニングの多くは、各自治体の子ども医療費助成の対象となる場合も多く、仮に自費の初期予防装置(プレオルソ等)を使用したとしても、中学生からの本格矯正に比べれば費用は数分の一で済みます。何より、お子様の大切な永久歯を抜かずに済む可能性が劇的に高まり、痛い思いをさせることもありません。
「0歳から歯医者に通うなんて早すぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、実はこれこそが、お子様の将来の健康と、ご家庭の経済的負担を劇的に軽くするための、最も賢く、最も確実な「最高の自己投資(予防)」なのです。
👶 お子様の上あごや離乳食の進め方に不安はありませんか?
「へこみが気になる」「お口ぽかんが治らない」「舌が短い気がする」など、どんな些細な疑問でも構いません。当院の小児歯科では、0歳の赤ちゃんからのご相談を大歓迎しております。虫歯予防はもちろん、将来の綺麗な歯並びのための「お口の機能育成」を一緒に始めましょう。
※お電話でのご予約・ご相談もお気軽にどうぞ:06-6413-5858
【※医療情報および成長発達に関する免責事項】
本記事に記載されている赤ちゃんの上あごの成長(吸啜窩の消失時期や高口蓋への移行など)、および口腔機能発達に関する見解は、一般的な小児歯科医学の知見に基づくものであり、すべてのお子様の発達スピードや症状に完全に当てはまることをお約束するものではありません。離乳食の進み具合やお口の筋肉の発達、吸啜窩が平坦になる時期には非常に大きな個人差があります。記事内で紹介したご家庭での遊びや食事の工夫は参考としていただき、上あごの形状や舌の動き(舌小帯等)、呼吸状態について少しでも不安や異常を感じられた場合は、自己判断せず、必ず小児歯科や小児科等の専門医療機関を受診し、歯科医師・医師による直接の診察と指導をお受けいただきますようお願いいたします。